【癒しの旅ナビ】
■ ― ファミリー旅行編!! ―
「靄の向こうにすばらしい光景を見た!?」話
それは、5年前の夏休みも終わりのこと。
新潟県北部の瀬波温泉「大観荘」に泊まりに行った。
なぜならば、日本一きれいな夕日が見れる場所だからだ。
夕刻。
日本一の夕日を露天風呂から見ようと、男性風呂へ。
多くの温泉宿がそうであるように、ここも露天風呂へ行くには、
屋内の洗い場、湯船を通らなければならない。
脱衣所から洗い場へ入ると、洗い場の蒸気が勢い良く
脱衣所と吸い込まれ、一瞬息ができなくなった。
それでも臆することなく進むと、そこは、まるで雲の上だった。
全面が靄で包まれている。
靄を掻き分けながら進む。
目が慣れてきたせいもあり、左に洗い場、右に湯船、
そして、手前に掛け湯用の一畳ほどの“ため湯”があるのが分かる。
「さあ、体を流して露天風呂へ直行するぞ!」と、
喜び勇んで、桶をその“ため湯”の中へ入れようとした次の瞬間・・・
「ぎょっ!□▼×❤◇・・・」
その一畳ほどの“ため湯”の中で、何やら物体が動いた。
ラッコのように上を向いている。手は胸の上にある。
「・・・ラ・・・ラ、ラッコか!?」
すると、そのラッコの胸の上から「きゃっ、きゃっ」声がする。
楽しそうだ。
そう、3歳くらいの人間の子供だ。
よ~くみると、お父さんが3歳ぐらいの子供を
自分の胸の上に乗せ仰向けにその湯だめに浸かっている。
「ここは・・・掛け湯用の・・・溜め湯ですよ・・・」と、
のどまで出かかったが、飲み込んだ。
靄の中に、互いに信頼しきっている親子の微笑ましい姿が、
その互いの光り輝く笑顔とともに、幻想のように映し出されていた。
その姿が常識に優ったのだ。
そっと、洗い場で全身を流し、
露天風呂に浸かりながら
先ほど享受した幸せの余韻とともに
日本一の夕焼けを堪能したことはいうまでもない。
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